1992年、千葉県出身。3歳からフィギュアスケートを始める。12歳まで女子シングルの選手として競技会に出場し、その後ペアに転向。2009年JGPトルン杯や2008〜2014年全日本選手権などで優勝。2013-2014シーズンにはソチオリンピックに団体・個人として出場した。ファイテンショップで約2ヶ月間の職場体験を行うなど、長年ファイテン商品を愛用している。
高橋 成美さんのストーリーインタビュー
自分にとってのターニングポイントはもちろんシングルからペアに転向した時ですが、ケガをした時もターニングポイントだったなと思いますね。ケガと一緒に成長できたという感覚があるんです。
特に手首をケガした経験は、新たなことに気づくきっかけになりました。手首以外は動くけれど練習ができなくて、もどかしく思っていたんですよね。でもその時のリハビリの先生が、アライメントをチェックしてくれたんですよ。ボディバランス、
ケガの経験が、自分のカラダをコントロールしながら競技に挑むことの大切さを教えてくれた骨格の位置、首の位置、肩の位置、股関節の可動域などを全てチェックしてくれて、初めて自分のカラダのことを知ったんですよね。これまではただがむしゃらに練習して、それでも思うようにいかない動きがあったり、超えられないと感じるような壁にぶつかることもあったんです。でも自分のカラダを知って、しっかりコントロールするということから見直していくことで変わったんですよね。超えられないと思っていた壁を超える抜け道のようなものを見つけられたんです。確かにケガをしたことは残念だったんですが、ただがむしゃらに練習を続けていたらわからなかったことに気づけたというのは、幸運だったなと思いますね。
ケガをする度に思うのですが、ケガの原因って本当に些細なことなんですよね。ウォーミングアップ不足だったり、筋肉が固いなと思いながら、疲れを溜めたまま練習をしていたり、集中力が少し欠けていたりすることがケガにつながるんです。毎回「あの時無理しなければよかった」と後悔するんですが、ケガを繰り返すうちに原因がわかるようになってきて、回避する方法をしっかり考えられるようになったんですよ。
毎日のルーティーンが自分のカラダを計るものさしになっているからこそ、新しいことにチャレンジできる3歳から今まで20年以上スケートをやってきているので、頭でわかる技術だったり、カラダが覚えている技術には他の誰よりも自信があるんです。でもそれを確実に発揮するためには、自分のカラダをベストに保つことが必要不可欠なんですよね。だからこそ自分を最高に保つというのが、スケートをする上でというのはもちろん、わたしの人生の目標でもあるんです。
そうやってベストな状態で練習や試合に臨めるように、毎日のルーティーンは欠かさず行います。毎日同じことを繰り返すということは、自分のコンディションを計るものさしのようなものだと思うんです。ルーティーンでその日のカラダの状態を見極めて、練習に反映させているんですよ。例えばルーティーン中に足が重いなと感じた日は、いつもより早めに足を前に出す意識を持って練習をします。そういう自分の中でのものさしがあるからこそ、安心して新しいことにどんどん挑戦していけるんです。