1975年京都府生まれ。1993年旭化成陸上部に入部。長距離ランナーとして活躍。1998年バンコクアジア競技大会男子10000m優勝、世界陸上選手権2回出場。引退後はランニングクラブの運営や、大学でスポーツ健康学の研究を行う。現在はランニングセミナーの開催や商品開発等、多岐に活躍。
高尾 憲司さんのストーリーインタビュー

現役を退くまで、本当に陸上競技だけに打ち込んできました。なので、これからは社会勉強のためにも”働く”という経験を積んでいきたいと思って、指導者にはならずに旭化成の繊維部に配属してもらったんです。そこではスポーツウェアなどの繊維をつくる仕事をしていました。繊維に携わるうちに自分のケガの経験から、ランナーがいかに快適に走れるようなモノづくりを出来るか考えるようになったんです。その中でぶち当たった大きな壁がランナーの故障やケアに関しての「知識不足」でした。それで、きちんと勉強をしたいと思って、大学に進学することを決意したんです。自分がケガに悩まされてきたので、大学では一般市民ランナーの健康という研究を行いました。その中で、一般のランナーは足のケガがとても多いことを知ったんです。それで、日本に健康的なランニング環境をつくるためにも、自分の経験やここで学んだ知識をわかりやすい形で伝えていきたいと考えるようになりました。単純に自分の経験談を話すのでは、一般の人にはわかりづらい部分が多いと思ったので、誰もが納得するような数値や傾向を示して話していければと思ったんですよ。
もともと運営していたランニングクラブの会員さんに勧められて、そのクラブを基に会社を立ち上げました。今は月3回程度、ランニングの練習会を開いています。この練習会では、ただ走るだけじゃなくて、自分で独立してランニングを続けていけるような知識をしっかりと身につけてもらうことが大事だと考えているんです。
全国各地で練習会やセミナーを行う日々。正しい知識を多くのランナーに伝えたい。僕の伝えた知識がいろんな人に広まり、正しい知識を持つ人たちが増えていくといいですね。また、クラブで教えているような知識を伝えるセミナーを、全国各地でも行っています。いろんな人に出会えるし、さまざまな交流もある。視野もどんどん広くなっていくし、本当にありがたい環境です。でも、全国を走り回る中で、生活習慣が乱れて体調を崩すことが増えたんですよね。カラダが元気じゃないと全国を回れませんから、最近では毎日の食事や休息の時間を大切にしています。特にリラックスするということは、1番気を使っていますね。