1952年北海道生まれ。声優学校在学中から、数々の大ヒットアニメに出演。現在も、映画の吹き替えやナレーターとしても活躍中。1992年に講談師の一龍斎貞水に入門し、春水の号を受ける。1996年に二ツ目に、2004年真打ちに昇進。
一龍斎 春水さんのストーリーインタビュー
講談は、江戸時代以前からはじまって、現代に至るまで500〜600年の歴史があるんです。はじめは、侍に戦いの方法を教えるものだったんですよ。だからずっと、男の人の芸として伝わってきたんですけど、近年になって女性も参加できるようになりました。だからわたしは、講談というかたちで、今まであまりなかったような、女性をメインとした話をしていきたいなって思っているんです。講談師は、ある意味「レポーター」のようなものなんですよ。ですから、その時に起きた最新の出来事を、ドラマ仕立てにしてレポートしていくんですね。古いものの暖かみとか響きとかを大切にしながらも、そこに自分らしさや現代らしさを加えてレポートしていけば、また新しいものができるって思うんです。そうして、今まで存在してきた古典にはない、現代の人に「わかる」という面白さを生み出していきたいんですよね。赤穂義士や四谷怪談のような古典だって、生み出されたときは「今」を伝える話だったわけですからね。そう考えると、これからの講談がどうなっていくのかなって、すごく楽しみになりますね。

伝統の中に自分らしさや現代らしさを加えれば、また新しいものができる
講談師って、ずっと正座をしていなくちゃいけないんです。長いときは、1人で2時間ぐらい話してくださいってこともあるんですけど、もちろんその間ずっと正座なんですね。話が終わって、いざ立ち上がるとなった時には、本当に足がつらくてつらくて。膝は痛いし、しびれているし、足首もまがらなくなってしまうんです。日々変わっていくカラダとの向き合い方を模索する日々完全に足の感覚がなくなって、足がつってしまうこともありました。
これから歳を重ねるほどに、関節のクッションも弱くなるだろうし、カラダのいろんな部分が変わっていくと思うんです。でも、どんなにカラダが変わったとしても、ずっと自分らしい新しい講談を生み出していきたいですから、どうにかして向きあっていかなきゃって、日ごとに強く考えるようになったんです。そのためにも、ファイテンの商品には、日々お世話になっていますよ。