2026年5月現在、パラ卓球男子クラス10で世界ランキング1位の舟山真弘選手。早稲田大学卓球部に所属し、健常者の強豪選手がひしめく環境で腕を磨く彼は、パラスポーツ界期待の若き至宝です。4歳の時に右上腕骨肉腫を患い、右腕の肩関節と上腕骨を切除、腓骨を用いた再建術を受けるという壮絶な経験を乗り越え、今や世界を牽引するトップアスリートとなりました。今回は、理学療法士の鶴埜益巳先生を迎え、舟山選手の強さの源泉である「奇跡の身体バランス」と、中学時代から愛用し続けているファイテンのボディケアが、いかに彼の精密なプレーを支えているのか、その深層に迫ります。
熱海の「温泉卓球」から始まった、世界No.1への意外なプロローグ
―舟山選手は現在、世界ランキング1位という輝かしい位置におられますが、そもそも卓球を始めたきっかけは意外にも「温泉卓球」だったそうですね。
舟山:そうなんです。小学校2、3年生の頃、家族旅行で行った熱海の旅館に卓球台があって、そこで初めてラケットを握りました。いわゆる温泉卓球だったのですが、「こんなに楽しいスポーツがあるんだ!」と子供ながらに感動したのが全ての始まりです。それから年に1、2回はその旅館で打つようになり、本格的に習い始めたのは小学5年生の時でした。クラスメイトが卓球を習っていると聞いて場所を尋ねたら、家から歩いて10分ちょっとのところにスクールがあったんです。僕が卓球を始めたのは比較的遅めかなとは思うんですけど。
―卓球界では5歳くらいから英才教育を受ける選手も多いので、少し遅めのスタートだったのですね。そこからどのようにパラ卓球の世界へ足を踏み入れたのでしょうか。
舟山:始めて半年ほどで、地元の埼玉県障害者スポーツセンターで活動しているパラ卓球のサークルに出会いました。今思えば、家から約30分という環境も幸運だったんですけど、そこで当時パラ卓球日本代表だった金子和也さんとお会いし、パラリンピックという存在を初めて身近に感じるようになったんです。その後、小学6年生で初めて全国大会に出場したんですけど、早稲田大学の先輩でもある岩渕幸洋選手と対戦し、完敗しました(笑)。岩渕選手はリオ、東京、パリの3大会連続で出場されているんですけど、ちょうどリオを出た後すぐの岩渕さんに試合で当たったんですね。
―日本を代表する選手との初対戦は、どのような記憶として残っていますか。
舟山:負けた悔しさよりも興奮が勝りましたね。卓球を始めてまだ1年ほどでしたが、日本代表と呼ばれる選手と対戦できるということ自体も驚きでしたし、「日本代表ってこんなにかっこいいんだ。スターみたいだ」と興奮して。そのうちにいつからかは明確ではないんですけど、だんだん「自分もいつかこの舞台に立ちたい、パラで金を獲る」という目標が芽生えていったというか。負けず嫌いな性格もあり、やるからにはトップを目指したいという気持ちが当時から強かったんだと思います。
中学校での「駅伝」と、お小遣いを握りしめて買いに行ったローション
―舟山選手とファイテンとの出会いは、中学時代の意外な活動がきっかけだったと伺いました。
舟山:はい。まず僕は、中学校時代はいきなり全国を目指すのではなく、学生の大会を中心に出場して「県でベスト8、ベスト4を目指すには」という感じで目の前の一戦一戦に集中していたんですけど、それと同時に通っている中学校で任意参加の駅伝競走大会があり、持久力アップと「楽しそう」という直感で参加したんですね。卓球の練習は午後からだったんですけど、駅伝は朝練習だったのでできるなと思って。で、朝7時から学校に集合して走っていたんです。そこにはバスケ部とかサッカー部とかいろんな人が参加する中に陸上部の子がいて、その子がファイテンのローションを持ってきていたんですよ。その友達が「これ、めっちゃいいんだよ。塗ると翌日の筋肉痛になりにくいし」と教えてくれたのが最初でした。
―中学生の舟山選手が、自らショップへ足を運んだというエピソードが印象的です。
舟山:友達に借りて使ってみたら、翌日の体の軽さが違ったんです。当時は埼玉県の大宮に住んでいたんですけど、自分のものが欲しくなって、お小遣いを握りしめて大宮駅にあるファイテンショップまで買いに行きました。そこから高校の頃まではトレーニングの疲れを取るためだったり、ケガ予防のためにコンディションを整えるケア用品としてローションをメインに使っていました。
―今ではRAKUWAネックレスも使用していただいているそうですね?
舟山:はい、パリ大会に出場した年くらいからコーチに勧めてもらってネックレスを使用するようになりました。僕は障害的に右の肩が凝って痛みが出ることが多かったんですけど、ネックレスをつけるようになってからはコリをあまり感じなくなってうれしくて。海外の大会では長時間のフライトが身体的にキツかったりするんですが、その緩和にも役立っています。
―その右側のカラダの硬さというのは小さい頃から感じていたんですか?
舟山:僕は4歳の頃に右上腕骨肉腫を罹患して手術したんですけど、特に中学生くらいから、机に向かって勉強をする中で「なんだか右が硬いな」と感じるようになったんですね。生活の中で右を意図して動かすこともなかったので凝りやすくなっていたのかなと思います。
理学療法士が驚愕する「奇跡の背骨」と、天性のバランス感覚
鶴埜:舟山選手、今日はお会いできて光栄です。専門家の視点から見て、舟山選手の体では「医学的にありえないこと」が起きているんですよ。
舟山:ありえないこと、ですか?
鶴埜:はい。私は国立がん研究センター中央病院で理学療法士として多くの患者さんのリハビリテーションを担当してきたのですが、舟山選手はなかなか難しい手術をされているんですよ。
舟山:そうですね。
鶴埜:通常、4歳という発育の重要な時期に右の上腕骨を含む肩から上腕部を大きく切除し、下腿部から細い腓骨で再建する手術をされると、腕の重さが左右で極端に異なった状態となります。そうすると・・・詳細は省きますが、背骨がその左右差のバランスを取りつつ、複雑に曲がって成長するのが一般的です。しかしながら、プレーの動画をかなりたくさん拝見したのですが、舟山選手の背骨は驚くほど曲がっていないようで、体幹の軸がとても安定しているように見えるんです。意識はしなかったとは思いますが、何かそのようなカラダの軸が必然的に作られるような・・・例えば、体幹の正確な回旋を要求されるような、そのような運動をされたりしたのでしょうか?
舟山:自分では意識していませんでしたが、中学の時に毎日5kmほど走り込んでいたのは、今思えば卓球の土台作りに役立っていたのかもしれません。
鶴埜:そうでしたか。なるほど、そうですね。長距離を走るためには、骨盤の回旋の左右差がないほうが効率よく、楽です。その動きの実現には背骨に左右差のないほうが良く、そのようなバランスを上手にとられて成長されたんだと思います。また、その走り込みのおかげで、特徴的な足元の土台の安定やフットワークを生み出したのではと思います。また、あのスピードでスマッシュを打てるのだと思いました。また関連する話として目の要素もあります。卓球というスポーツはさまざまな形で目を使います。対戦相手の動きやラケットの使い方、向かってくる球の回転、それらを観察しつつ、返す方向とは異なる方向に視線を移動させることでフェイクをかけ・・・そのためには、土台の安定やフットワークを基礎として、脚や骨盤、肩甲骨、首、眼球といったカラダのパーツをバラバラにコントロールできる必要があり、舟山選手はおそらく意識していないとは思いますが、かなり巧みなタイプです。そこには、先の「医学的にはありえないこと」が起こっている背骨の軸が必須なので、本当に驚きです。
鶴埜:そして、試合展開を拝見していると特徴的に後半に伸びてくる。これも意識していないと思いますが、その目の良さをうまく利用して、さらに相手の癖を見抜いて、試合展開を上手に作っていかれていると思いました。ここは後ほど内緒でトレーニング方法をお伝えしますので、さらに磨きをかけていかれることが大事だと思います。
舟山:ありがとうございます。そう考えるとやっぱりケアは大切だなと思いますね。僕はケガが少ないほうなんですけど、周りを見ていると腰のヘルニアや肘や肩の故障をしていたり、結構ケガをしているんですよ。でも僕は小さい頃から「ケアをしておいたほうが翌日の調子がいいな」と感じていたこともあって、日常的にファイテンのローションを使って寝る前にケアをしていたんです。ケガをしないためにも、カラダのコントロールを保つためにも高校、大学と進むにつれてリカバリーの重要性をより感じるようになりましたし、ローションや入浴剤は今や欠かせないケアアイテムになっていますね。
二度目の試練、腎臓がん。天才的な「適応力」で見せた肉体のアップデート
―実は舟山選手、2026年初頭に二度目のがん、腎臓がんが見つかったそうですね。
舟山:ええ。全日本選手権が終わった直後、練習中に少し腰を打った後、血尿が出て検査をしたら見つかりました。幸いステージ2でしたが、腫瘍が大きかったため手術で摘出しました。手術後は1ヶ月半ほど卓球ができませんでしたが、その期間を「俯瞰して試合を見る時間」に充てたんです。腹部を30cmほど切ったので、カラダのバランスが崩れるんじゃないかという危惧もあったんですけど、ウエイトトレーニングも取り入れながらトレーニングを続けて、術後1ヶ月経った頃には元の感覚と変わらない程度に回復できて。
鶴埜:えっ、そうなんですか。通常、手術して腹筋を30cmも切れば体幹の感覚が大きくズレる筈なので、その傷ありきで元の動きをできるようになるのに、相当な時間が必要になるのが一般的です。舟山選手はウエイトトレーニングをうまく使って、相当短時間で術後のカラダの状態を理解して、運動イメージを「再構築」できたと考えられます。これは「ボトムアップ制御(カラダの状態を正確に把握して、運動を創る)」による運動学習ということになります。しかし、ご自身だけで行うというのは・・・ちょっと考えられにくく、一般的には私たちのような専門家と一緒に行うのですが、それでも容易ではないのです。先の背骨の話もそうですが、驚くべきことに、もしかして先天的に、そういったことができちゃうということなのかもしれず・・・非常に驚きです。
舟山:入院中はすることがなかったので、ずっとトップ選手の試合動画を見て「次、ここに打つな」と予測する練習をしていました。そのおかげで、復帰後は以前よりも俯瞰して試合が見えるようになり、体調もむしろ手術前より良いと感じるくらいです。
「心理戦の将棋指し」として。中国勢を崩す戦略の深層
―舟山選手の強みは、その卓越した「戦略」にもあると伺いました。
舟山:最近は特に、フィジカルだけで勝負するのではなく、相手の心理をいかに読むかを重視しています。アジア選手権でパリのメダリストである中国選手に初めて勝った時は、コーチたちと動画を何回も見て戦術を練り上げました。
鶴埜:中国の選手は「卓球の勝ち方」を熟知していて、相手をわざとイラッとさせたり、リズムを崩したりするのが非常に上手いですよね。舟山選手のプレーは、失礼ながらそういったところが、とても正直というか、真っ直ぐというか・・・できれば今後、その目と予測をどんどん生かして、戦術的に相手選手が嫌がるような、そういうクレバーなスタイルが合っているように思いますので、もし興味があれば伸ばしていただきたいなと。先にお話ししたように、そもそもメタビジョンの素質はあって、試合展開は見えるタイプだと思います。相手に正直に向き合うのではなく、少しずらして相手にストレスを与えて・・・詳細はここではお話ししませんが、そのように思っています。
舟山:2~3個の戦術を「出しては引いて」を繰り返して相手をはめていく感覚は、本当に楽しいです。技術だけでなく、頭脳戦で勝つ。僕は健常者の試合にも積極的に出場しているのですが、それが健常者のトップ選手とも渡り合うための僕のスタイルですね。
世界No.1を支える「睡眠ケア」と「ナノメタックスコーティング」の重要性
―常に高いパフォーマンスを維持するために、日常生活でこだわっていることはありますか。
舟山:睡眠管理は重視していますね。寝る3時間前には食事を済ませ、2時間前にはお風呂、1時間前には部屋の電気を暗くして8時間睡眠を死守しています。基本的に同じコンディションを保つことを心がけているので、逆に朝起きて頭がスッキリしない日は結構危ないなと察知できるんですね。「昨晩、精神的に緊張していたのかな」と感じたりできて。そういう敏感さってめちゃくちゃ大切だと思うので。
鶴埜:その感覚はアスリートとして非常に重要ですよね。睡眠は日中の経験を脳に定着させる大切な時間ですからね。こだわりの強い舟山選手には、枕カバーやパジャマへの「ナノメタックスコーティング」でのケアが、非常に相性が良いはずです。手術した箇所は癒着した筋肉同士が引っ張り合うようになるので疲れるんですが、その部分にローションを塗ったり、テープを貼ったり、入浴剤を使ってカバーされたりするのがいいのかなと。
舟山:ファイテンの入浴剤を入れたお風呂に入ると、明らかに体が軽くなり、余分な力が抜けるのを実感します。僕にとっての「リセット」には欠かせないものです。
ロサンゼルスへ。この身体で「どこまでいけるか」の証明
―世界ランキング1位として迎えるこれからの目標、そして2028年ロサンゼルス大会への思いをお聞かせください。
舟山:パリ大会ではシングルス5位という結果に終わりましたが、その悔しさはパラリンピックという舞台でしか晴らせないと思っています。2年後のロサンゼルスでは、必ず金メダルを獲りたいです。健常者の試合であっても、早稲田大学の部員たちの中でどこまで勝てるのか、この体でどこまで上にいけるのかというのは、僕の卓球人生における大きなテーマです。障害の有無を越えて、純粋に「卓球が強い舟山真弘」を証明したい。そのためにも、ファイテンのケアを味方につけて、常に進化し続けたいと思います。
鶴埜:舟山選手でしたら、天性の素質を伸ばし、唯一無二の存在になれると思います。これからも応援しています!
対談を終えて
舟山真弘選手との対談を通して、卓球が極めて高度な"心理戦"であることを改めて強く感じました。卓球は反射神経だけでは追いつかないスピードの中で、相手の癖を読み、流れを組み立て、戦略を組み立てる「知略」こそが勝敗を分けます。この高度な駆け引きを支える土台となるのが、日々の経験を脳に定着させ、翌日も正確な判断と動きを再現できる万全のコンディションです。だからこそ舟山選手は、入浴やボディケアといったリカバリーを徹底し、疲労を残さずに心身を「リセット」するための工夫を積み重ねています。回復を単なる休息ではなく、"明日の勝負への準備"と捉える舟山選手の姿勢を、ファイテンはこれからもボディケアでサポートし続けます。
舟山選手プロフィール <舟山 真弘(ふなやま まひろ)プロフィール>
- 生年月日
2004年7月19日
- 出身
埼玉県さいたま市
- 所属
早稲田大学 卓球部
- クラス
クラス10(立位)
- 世界ランキング
1位(2026 Week 20 現在) [プロンプト]
- 主な戦績
2024年 パリパラリンピック 男子シングルス 5位。2021年 アジアユースパラ 優勝。2023年 アジアパラ競技大会 準優勝。
- 経歴
4歳で右上腕骨肉腫を罹患。小学5年生から卓球を始め、卓越した戦術眼と驚異的な身体能力で瞬く間に世界トップへ。2026年には腎臓がんを克服。現在は早稲田大学の一員として、また日本代表のエースとして、2028年ロサンゼルスパラリンピック金メダルを目指す。
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