カシオ計算機×ファイテン異色コラボの裏側にある"独自性の系譜"と"妥協なき開発"
2026年9月11日、カシオ計算機から、ヒアリングアシストイヤホン「earU(イアユー)」のストラップ型専用スタイルアクセサリー「SU-100P-EG」が初めて発売されました。
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https://www.phiten.com/official-news/20260911/
本商品は、ボディケアカンパニーであるファイテン株式会社とのコラボレーションにより誕生。付属ストラップにはファイテン独自の水溶化メタル技術「メタックス」を採用し、スポーツや日常のアクティブなシーンでもイヤホンの落下・紛失を防ぎながら、快適なリラックス&リカバリーをサポートします。さらに、充電時に耳から外した際も単体で「メタックスネックレス」として活用できる画期的な2WAY仕様を実現しました。なぜ、電卓やG-SHOCK、電子楽器で時代を切り拓いてきたカシオと、ボディケアのパイオニアであるファイテンが手を組んだのか。商品開発に費やした約1年9ヶ月におよぶ試行錯誤と"妥協なき開発"の背景を、両社の開発キーマンが語り尽くす対談インタビューをお届けします。
佐野 文則(さの ふみのり)氏【写真:右】
カシオ計算機株式会社 新規事業部 第二事業戦略部 第三企画室 商品企画担当課長。過去には業務向け携帯端末や電子楽器などの商品企画を手掛け、現在はヒアリングアシストイヤホン「earU(ER-100)」本体および「SU-100P-EG」を含む各種オプションアクセサリー(SU-100/110/120)の商品企画を推進。
大槻 剛裕(おおつき たかひろ)氏【写真:左】
ファイテン株式会社 法人営業部 OEMチーム 次長。OEM領域を中心に、ファイテン独自のボディケア技術や水溶化メタル技術「メタックス」を活用した多様な企業との協業・商品開発・営業推進を担当。
「常識を疑い、引き算で価値を生む」―電卓・G-SHOCK・電子楽器に受け継がれるカシオの独創性
―本日は、カシオ計算機(以下、カシオ)のヒアリングアシストイヤホン「earU(イアユー)」と、ファイテンの最高レベル技術「メタックス」が融合した専用スタイルアクセサリー「SU-100P-EG」の共同開発について詳しく伺います。開発の経緯へ入る前に、カシオが歩んできたモノづくりの歴史について少し触れさせてください。
佐野(カシオ):カシオの出発点は、1957年に登場した世界初の小型純電気式計算機「リレー計算機 14-A」です。当時はまだ半導体がほとんどない時代で、本体の裏側に配置された「リレー」と呼ばれるスイッチのオン・オフだけで計算を行っていました。「ガシャン、ガシャン」と大きな音を立てて動くのですが、当時は画期的なイノベーションでした。成城学園前にある「樫尾俊雄発明記念館」には実際に動く展示物があり、動く姿を見ると今でも胸が熱くなります。そこから1972年に登場したのが、世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」です。当時の他社製品が8桁表示だった中であえて6桁に絞り込み、低価格での販売を実現して爆発的に普及しました。この「あえて引き算をして世の中に普及させる」という思想は、今も私たちのDNAとして生き続けています。
大槻(ファイテン):スペックを無闇に付け足すのではなく、ユーザーの使い勝手と普及を一番に考える「引き算の美学」は本当に素晴らしいです。
―さらに、カシオの代名詞と言えるのが「G-SHOCK」ですね。
佐野(カシオ):G-SHOCKには社内に極めて厳格な耐衝撃・堅牢性試験基準が設けられており、どんなにデザインが優れていても、その試験をクリアしなければ絶対に「G-SHOCK」の名を冠することは許されないんですよ。こうした過酷な品質・耐久試験をクリアして製品を世に出す"妥協なき品質基準"は、時計以外の新規事業や製品開発においてもカシオ全社の共通イズムとして脈々と受け継がれています。そして近年、カシオが新たな重点領域として注力しているのが、AIペットロボット「Moflin(モフリン)」や、今回のヒアリングアシストイヤホン「earU」に代表される、人々の生活の質(QOL)を向上させる「ウェルビーイング/ライフエンパワーメント」分野です。人々の健康や生活の悩みに寄り添い、確かな品質と技術で答えを出していくことが私たちの新たな挑戦なのです。
「落としたらどうしよう」―ユーザーの切実な声から始まったカシオ×ファイテンの出逢い
―カシオは電子楽器などで培ってきた「音のデジタル制御技術」を駆使して、「聞こえ」の悩みを解決する新ブランド「earU(イアユー)」を立ち上げました。その第一弾として2026年5月28日に発売されたのが、ヒアリングアシストイヤホン「ER-100」ですね。
佐野(カシオ):earU(ER-100)は補聴器でも集音器でもない、新しい聞こえを提供するデバイスです。独自の「CUFFS(カフス)テクノロジー」により、耳穴を塞がないカフ型の形状を採用し、耳の閉塞感や方向感の欠落といった"煩わしさ"を取り除きました。加齢による聴力低下を感じている方だけでなく、健康診断で異常なしと言われても日常生活で「少し会話が聞こえづらい」と感じている幅広い世代の方々に向けて開発しています。WHOの調査でも、世界で約11億人の若者にヘッドホン難聴のリスクがあると指摘されていて、その潜在的な課題を解決するためのウェルビーイングデバイスですね。
―今回、earUの専用スタイルアクセサリー「SU-100P-EG」が発売されることになりましたが、ファイテン社とコラボレーションして開発することになった経緯を教えてもらえますか。
佐野(カシオ):きっかけは発売前のターゲットユーザー調査でした。高機能なヒアリングアシストデバイスだからこそ、「アクティブに動いた時に落として紛失してしまったらどうしよう」という不安の声が多く寄せられたのです。そこでカシオとして純正オプションを出そうと考えたのですが、公式で販売する以上、単なる汎用品のような「ただの黒い紐」では意味がないと考えました。
大槻(ファイテン):カシオさんから最初にコラボのお問い合わせをいただいたのは、2024年12月のことでしたね。「earU」本体の開発を進められている最中にご連絡をいただきました。
佐野(カシオ):社内で「純正ストラップにどんな価値をプラスすべきか」を議論していた際......弊社にマラソンが趣味のスタッフがいまして、「市民マラソン大会に行くと、多くのランナーがパフォーマンス向上やボディケアのためにファイテンさんのネックレスやパワーテープを着けている」と教えてくれました。"「耳の聞こえをサポートしてQOLを上げるearU」と、「身につけることでリラックスやパフォーマンスをサポートするファイテンさんの技術」が融合すれば、お客様へ今までにない相乗価値を提供できるのではないか。まさにこれだ!"と直感し、すぐにファイテン社にお声をかけさせていただきました。
大槻(ファイテン):最初にお話をいただいた時は本当に驚きました。日本を代表するメーカーであるカシオさんからのお声がけでしたので、「時計の新開発だろうか?」と思ったのですが、新しいヒアリングアシストデバイスだと知って深く納得しました。ファイテンは1983年の創業以来、「すべては健康を支えるために」というポリシーのもとボディケア商品をお届けしています。カシオさんが見据えるウェルビーイングの方向性と私たちの理念は完全に一致しており、ぜひ一緒に挑戦したいとお返事いたしました。
「約1年9ヶ月に及ぶ妥協なき試行錯誤」―厳格な品質基準とファイテンの技術知見の融合
―2024年12月の打診から、2026年9月11日の商品リリースまで約1年9ヶ月。開発の道のりはどのようなものでしたか?
佐野(カシオ):カシオとしても、イヤホン用の機能性ストラップというアクセサリー要素の強いアイテムをゼロから開発した経験は多くありませんでした。しかし、ファイテンさんがこれまで培われてきた製品構造やマグネット技術の知見を惜しみなくご提供くださったおかげで、「磁石でスナップ留めする基本構造」自体は非常にスムーズに決まりました。
大槻(ファイテン):基本構造はスムーズでしたが、そこからの条件の詰めがすごかったですね(笑)。カシオさんの社内品質基準・耐久テストは極めて厳格で、妥協が一切ありません。
佐野(カシオ):ファイテンさんには大変なご苦労をおかけしてしまいました。当初は「既存の標準パーツをそのまま活用できれば」と考えていたのですが、突き詰めていくうちにストラップの長さ、肌触り、引っ張り強度、色合いに至るまで、次々と高い要求をさせていただくことになってしまいました。しかし、G-SHOCKの品質基準同様、カシオの名を冠する商品である以上、安全と耐久性において妥協することはできませんでした。
大槻(ファイテン):社内の商品企画部やパートナー工場とも何度も協議を重ね、フィードバックを繰り返しました。テスト項目も多岐にわたりましたが、「一流のカシオ基準をクリアするからこそ、お客様に絶対的な安心を届けられる商品になるのだ」と確信していましたね。妥協なく磨き上げたからこそ、素晴らしい仕上がりになりました。
―デザイン面でのこだわりについても教えてください。特に明るいオレンジのカラーが印象的です。
佐野(カシオ):ストラップ部分には、あえて鮮やかなオレンジを採用しました。カシオのデザイン部門が非常にこだわったポイントです。従来の補聴器や集音器は「肌になじませて隠す」というネガティブな発想で作られがちでしたが、earUは「スポーツやアウトドアでファッショナブルに見せる」スタイルを提案しています。だからこそ、ウェアやアウトドアギアに映えるアクセントカラーに仕立てました。
「聞こえのサポート」×「リラックス&リカバリー」―音・アプリ・素材が紡ぐ相乗効果
―完成した専用スタイルアクセサリー「SU-100P-EG」には、ファイテン社の最高レベル技術「メタックス」が採用されていますね。
大槻(ファイテン):「メタックス」は、ファイテン独自の水溶化メタル技術により各種金属をナノレベルで水中に分散したものです。世界各国・地域で計100以上の特許を取得しており、身につけることでカラダのリラックスとリカバリーをサポートします。今回のストラップ生地全体にこのメタックス技術を施しています。
佐野(カシオ):さらに、実用面でも非常に優れた「2WAY構造」を実現しました。earU本体は充電のため定期的に充電ケースに収納する必要があります。その際、外したストラップの先端に内蔵されたマグネット同士を結合させると、そのまま単体の「ファイテンのネックレス」として首に装着し続けられるのです。
大槻(ファイテン):外したストラップをポケットやバッグにしまい込んで失くしてしまう心配もありませんし、耳から外している間も首元でリラックスサポートが得られるという、見事な機能美ですね。
佐野(カシオ):カシオの「音のデジタル制御技術」とファイテンさんの「メタックス技術」が合わさることで、これまでにない機能的シナジーも生まれています。例えば、earUには周囲の音だけでなく「後方の音をフォーカスして強調する機能」が備わっています。ランニングや自転車走行時に後ろから近づく車や自転車の気配を察知しやすくする機能ですが、メタックスストラップで落下を予防することで、より安心してアクティブに楽しんでいただけます。また、スマートフォンアプリと連携し、川のせせらぎや雨の音など20数種類の「ヒーリング環境音」を再生する機能も搭載しています。メタックスのサポートを受けながら心地よい環境音を聴くことで、極上のリラックス体験を感じていただけることを願っています。
「隠す」から「魅せる・贈る」へ―ユーザーの悩みに答え続ける両社の未来
―今回のコラボレーション商品は、家電量販店やCASIOオンラインストアだけでなく、ファイテン店舗のファン層へも大きく広がっていきそうですね。
大槻(ファイテン):ファイテンの店舗には、健康やカラダのケアに関心の高い40代~60代のお客様が日常的に多く来店されます。カシオさんのファンの方々にファイテンの技術を知っていただくだけでなく、ファイテンのお客様にとっても「耳の聞こえを快適にし、アクティブに生活を楽しむ」ための新しい選択肢として、earUをご提案できるのは大変意義深いと感じています。
佐野(カシオ):カシオとしても、家電量販店以外の健康意識の高いユーザー層にアプローチできることは大きな強みとなります。また、この秋からは「敬老の日」や記念日に向けたギフト需要にも力を入れていきたいと考えていまして。従来の聞こえをサポートする機器を親御さんに贈ることはどこか「年寄り扱い」するようなタブー感がありましたが、スタイリッシュなearUとファイテンさんとのコラボストラップなら、感謝の気持ちを込めたポジティブな贈り物として最適です。ヒアリングアシストイヤホンによって会話が弾むことで、親子間のコミュニケーションが活発になり、生活の質(QOL)そのものを向上させることができると期待しています。
―最後に、お二人のモノづくりに対する想いと、今後の展望についてお聞かせください。
大槻(ファイテン):ファイテンには「すべては健康を支えるために」という社訓がありますし、すべてのエンドユーザーの方の悩みに答えていきたいと考えています。その点で、世の中の人々が抱えるカラダや健康の悩みに寄り添い、技術で解決していく姿勢は、カシオさんのモノづくり精神と完全に一致しているなと。今回のストラップにとどまらず、今後も光技術や素材技術とデジタル機器を融合させ、人々の健康に貢献する新たな商品を一から生み出していけたらうれしいですね。
佐野(カシオ):リレー計算機から始まったカシオの歴史は、常に「世の中にない新しい価値」と「ユーザーの課題解決」を追求してきた歴史でもあります。単にイヤホンという機器を作るのではなく、「聞こえの悩みを解消し、人と人との心を笑顔でつなぐ」ことこそが私たちの使命です。今回、ファイテンさんという素晴らしいパートナーとともに、機能性と安心感を兼ね備えた商品をお届けできることを誇りに思います。ぜひ多くの方に手に取っていただき、新しい「聞こえ」と「リラックス」がもたらすアクティブな日常を体験していただければ幸いです。
商品特長
ヒアリングアシストイヤホン「earU(イアユー)」
専用スタイルアクセサリー「SU-100P-EG」商品データ