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NPO法人 キープ・ママ・スマイリング

-病気の子どもを育てるママ&パパが笑顔でいられるように-
入院中の子どもに付き添う親御さんや家族をサポートしているキープ・ママ・スマイリングの活動に賛同し、ボディケア商品の提供を行っています。

NPO法人 キープ・ママ・スマイリング 理事長の光原ゆき氏に、法人を設立したきっかけや活動内容などをインタビューしました。

NPO法人 キープ・ママ・スマイリング
理事長 光原 ゆき氏

団体を立ち上げたきっかけは、自身の体験から

突然の病院暮らし

35歳の頃、初めての出産と同時に子どもの病気が発覚し、すぐに手術が必要とのことでNICU(新生児集中治療室)に搬送されました。症状が安定し、病室に移ってからは私も一緒に病院で寝泊まりすることになり、産まれたばかりの長女と約半年間、病院で暮らしました。

子どもから目を離すことができない環境の中、自分自身も出産直後で身体がボロボロでした。多くの病院では、子どもの入院に付き添う親に食事はでません。そのため、コンビニやスーパーでお弁当などを購入しなければいけません。子どもが眠ったすきに院内のコンビニへ走り、食料品を買いためておくという生活が続きました。また、簡易ベッドは狭く、寝がえりも打てず、腰痛に悩まされました。子どもの入院に付き添うことがこれほどまでに過酷であることを、身をもって体験しました。

次女が生きたことに意味を与えたい

長女が4歳の時に次女を出産しました。次女は産まれる前から、出産後すぐに手術が必要な病気を抱えていることが判っていました。いくつかの病院で治療を受けましたが、残念ながら1歳になる前に容体が急変し、亡くなりました。辛く、泣いてばかりの日々を過ごしていましたが、仕事に復帰し、忙しくすることで気を紛らせていました。長女がいたから、日常を取り戻すことができたと思います。しなくてすむのなら、しないほうがいい経験をたくさんしましたが、

「この経験を誰かのために役立てることができれば、娘が生きたことに意味を与えることができる。」

次女が産まれたこと、生きたことに意味を与えるのが私の使命だと思うことで、ようやく前を向けました。

付き添い生活を経験して分かったこと

さまざまな病院で付き添いをしてきたからこそ、分かったことがあります。ある病院は4人部屋で病室内にシャワールームがありました。その場合、お母さんたちは声を掛け合って、誰かがシャワーを使っている間は他のお母さんが子どもの様子を見るなど、お互いに助け合うことができました。病室にシャワーがない病院では、近くの銭湯を使うことになります。子どもから目を離せず、トイレに行くことすらままならない中で、銭湯に行くことはなかなかできませんでした。

有料であっても、付き添い家族に食事が提供される病院もありますが、ない病院がほとんどでした。病院によって、良い所、改善してほしい所があることが分かりました。病院ごとの良い所を真似し合うことができれば、付き添い環境を底上げできるのではないかと考えました。

小児病棟の付き添い環境を改善することを決意

病院は命を救うことが第一です。医師やスタッフは本当に忙しく、患者をみるだけで精一杯のため、家族のケアにまでは手が回りません。これは、そもそもの医療制度に問題があると、当時から感じていました。 また病児を支援する団体はたくさんありますが、付き添う親を支援する団体は見当たりませんでした。

「親が病気の子どもの世話をするのは当たり前。」

世の中でも、家庭内でも、そう思われています。お母さん自身でさえ、そう思って頑張り過ぎてしまいます。付き添い生活の過酷さは、当事者であっても声を上げづらく、問題が見えにくくなっています。

医療は進歩しても、付き添い環境は何十年と変わっていないのです。「ケアする人をケアする」環境が乏しい日本の現状を、変えることは簡単ではないでしょうが、変わる余地は十分にあると考えています。 小児病棟の付き添い環境をより良くしていくことを目的として、2014年11月に現在の団体の前身となるNPO法人を立ち上げました。

コロナ禍だからこそ発展した支援活動

おいしい食事でお母さんを応援する活動からスタート

最初は、子どもが入院している家族が滞在する施設のキッチンをお借りして、毎月ボランティアのスタッフと一緒にご家族のために食事を作りました。その後、聖路加国際病院とご縁があり、小児病棟内で付き添い生活を送るご家族にもお弁当をお届けすることができるようになりました。お母さんたちは、子どもではなく、自分たちが応援されることはあまりありません。

お弁当を手渡しできるときは、「お母さんたちを応援するためのお弁当ですよ。」といつも伝えていました。

目の前のお母さんたちが喜ぶ姿を見て、全国の付き添い家族にごはんを届けて応援したいという気持ちが膨らんでいきました。手作りのお弁当をお届けすることはできないので、設立時から団体の活動を応援していただいているシェフに協力していただき、オリジナルの缶詰をつくりました。常温で保存でき、衛生面も安心な、野菜たっぷりのおいしい缶詰ができました。ご縁があって佐賀大学医学部附属病院で付き添い生活を送るご家族に、毎月お届けできることになりました。

付き添い生活応援パックの誕生

新型コロナウイルスの影響により、感染防止対策が強化された病院内では、お母さんたちがコンビニに行くことにすら制限され、食料品だけでなく日用品を手に入れることも難しくなりました。付き添い家族同士の交流もできなくなり、孤独感を深めるお母さんが増えました。

そのような状況を聞き、私たちに何ができるだろうかと考えました。その時に思いついたのが、「付き添い生活応援パック」でした。付き添い生活に必要な食料品と日用品を段ボールいっぱいに詰めて、全国の病院の付き添い家族に送る活動を2020年10月からスタートしました。応援パックの中にいれる物資は、企業の方々に無償でご提供いただいています。

作品

眠れないお母さんを救いたい。「ファイテンとのご縁」

付き添い生活応援パックをお届けしたお母さんたちへのアンケートに、「簡易ベッドが硬くて、よく眠れない。」「腰痛が辛い。」という声が寄せられました。簡易ベッドの寝心地が良くなれば、睡眠の質が改善され、お母さんたちが少しでも楽になるのではないかと感じていました。

簡易ベッドの上に敷いて使うことのできるマットレスを探していることを知人に相談したところ、ファイテンさんをご紹介していただきました。担当者の方とお話しする中で、鍼灸院などで使われている特別なサイズのマットレスがあることを知り、東京中央新ロータリークラブ様のご支援もいただき、ご提供いただくことになりました。

ご寄付いただいたマットレスは、長期間にわたり付き添い生活を送るご家族へレンタルをする予定です。これまでサポートできなかった睡眠の問題でお母さんたちを支援できることを、とても嬉しく感じています。

付き添い生活を応援するクチコミサイトを開設

情報や知識をシェアする場所を作りたい

付き添い中に、病院内で知り合いった方から、「裏門を出たところに、すごくおいしいお弁当屋さんがあるよ」、と教えてもらいました。行ってみると、ホカホカごはんに手作りのおかずがとてもおいしく、元気づけられました。子どもが眠ったすきに、そのお店のお弁当を買いに行くことが日課となりました。

このお弁当屋さんのことは、他のお母さんたちにも伝えていました。しかし、退院すると誰にも伝えることができなくなります。当時から、長く付き添いをすることで知り得た情報を、これから付き添いをするお母さんに教えてあげたいと思っていました。また、子どもが入退院を繰り返すと、急に入院となった場合でも荷物の準備が10分程度でできるようになります。入院セットをサッと準備できるのも、入退院を繰り返してきた経験があるからです。

これらの経験から得た知識や情報をシェアする場所として、クチコミサイトを作ろうと考えました。サイト自体はすぐに作ることができますが、書き込みがなければ意味がありません。サイトの存在を付き添い家族に知らせる手段が整っていなかったため、このクチコミサイトは構想の段階で足踏みしていました。

付き添い生活応援パックで生まれたつながりが後押しに

付き添い生活応援パックをお届けしたお母さんたちは、延べ3,400人を超えています。応援パックの取り組みを始めたことで、全国の付き添い家族と直接つながることができるようになりました。

また、これまでの活動が認められ、病院内外でもキープ・ママ・スマイリングは困っている付き添いのお母さんを支援している団体だという認知が広がっていきました。

さまざまな準備や環境が整ったこのタイミングで、付き添い生活を応援する「つきそい応援団」というクチコミサイトをオープンしました。これは私たちにとって念願のウェブサイトです。応援パックを受け取ったお母さんたちが、自分たちのことをお応援してくれた団体が運営するサイトなら、安心して書き込めると思ってくださることを期待しています。これからは、物資と情報の両面で、付き添い家族を応援していきたいと思っています。

NPO法人 キープ・ママ・スマイリング
https://momsmile.jp/

つきそい応援団
https://tsukisoi.jp/

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